「過去と他人は変えられない。しかし、いまここから始まる未来と自分は変えられる。」
カナダの交流分析の権威、エリック・バーンの有名な言葉。サトウが好きな言葉のひとつです。
「過去の事実」は変えられない
ああすればよかった。もっとこうしたらよかった。
過去の出来事は、いくら悔やんでも変えることはできません。不用意な一言で相手を傷つけてしまった。。。その一言を『言った事実』は変えられません。『言わなかったこと』にはできないのです。
同じように、相手からの一言がグサリと刺さって傷ついてしまった・・・それ以来、どうもあの人とうまく接することができない・・・としたら。その『相手に厳しいことを言われた事実』も変えることはできません。
『事実』は変えることはできません。それは、悪いことだけではなく、良いことも当然変えられません。試験に合格したという結果だって、当たりくじを引いたことだって変えられません。
過去は変えられない、というと、ネガティブに聞こえがちですが、必ずしもそうではありません。『事実』は変えられませんが、その『意味付け』は、いくらでも変えることができます。
事実は、ただのひとつの事象。それをどう捉えるか、その事象にどんな意味を持たせるかは、自分自身の意志によって決まるのです。
例えば・・・
『厳しいことを言われた』⇒「あの人とうまく接することができない」というネガティブな意味づけをしてしまっています。
ネガティブな意味付けはすなわち『苦手』な感情。強い影響になると、トラウマとなる要因です。
ただこれは、事象をネガティブに捉えることを、無意識とはいえ『自分で選択した』だけなのです。
捉え方は意識の話ですから、ポジティブな意味づけに変えることは可能です。
『良薬は口に苦し。聞こえの良い言葉ではなかったけど、本当に自分のことを思ってくれたからこその苦言だったのか・・・』と理解したときに、ポジティブな意味づけに変わった・・・。
こんな経験、あなたもあることでしょう。
たまたま『本当に自分のことを思ってくれた』と気づいたからこそ、意味づけを変えることができました。が、もっと能動的に変えることもできるのです。
今の自分から客観的に見たり、相手の立場に立って考えてみることで、『意味づけを変えたい』と思えれば・・・努力することで変えることができます。
「他人」を直接的に変えられない
「他人」の考えや行動を直接的に変えることはできません。「他人」は、自分の行動の届く領域ではないのです。もちろん、自分の要望を伝えたり、行動を通じて他人に変化のきっかけを与えることはできるでしょう。
・もっと優しい言い方で話してもらえませんか?
・時間を守ってもらえませんか?
あるいは、そうなるように環境を変えるように働きかけることで、変化を生み出すことはできます。
でも、他人の変化を期待するのは、辞めておいた方がいいです。変わるかどうかは、究極的には「本人次第」ですから。
自分に出来ることは、変化のきっかけを与えること、環境を整えることなどです。
『分かってくれない』
『いつまでたってもあいつはああなんだ』
相手の変化を期待するのは、多くの場合は徒労に終わります。自分でコントロールできないものに目を向けているので、どうしようもないはずなのにイライラもします。
『他人を変えられない』とはこの意味です。
本当にフォーカスすべきは、相手に変わってもらうために『自分自身に何ができるか』ということです。
フォーカスを自分自身と未来に当てる
他人に影響を与えて、変わっていく姿を見るのは、教育者でなくても嬉しいことです。でも、フォーカスすべきは「自分の行動」と「未来」なのです。
「他人」にフォーカスするのではなく、「自分」にフォーカスしましょう。
どんな状況になってもまずは「自分」次第です。未来に向かって「今、自分で」できることを頑張っていきましょう。「今の自分の行動」が、未来につながります。
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