将棋の羽生善治さんが、また偉業を成し遂げました。
タイトル「竜王」を奪取し、通算7期、『永世竜王』になりました。
定期的に来る「羽生は衰えた」の声を一蹴。現役最強に返り咲きです。
永世竜王?何それ凄いの??
将棋に詳しくない方に、ちょっとだけ将棋蘊蓄を。
永世竜王って何かと言えば。
竜王とは、8つあるタイトル戦の最高峰。普通、タイトル戦に出場すればトッププロと呼ばれ、タイトル獲得すれば一流の棋士という評価を受けます。
タイトルによって規定が異なりますが、通算7期とか、連続5期とか、一定期間タイトルを保有すると、永世●●になります。もちろん、永世称号を取った棋士なんかは「超一流」なわけです。
遡ること2008年の竜王戦は、羽生VS渡辺。勝ったほうが初代永世竜王という7番勝負、羽生さんの3連勝から渡辺さんの4連勝で逆転、『初代永世竜王』は渡辺さんが取得することになりました。
2010年の再挑戦にも破れ、しばらく竜王戦の舞台に現れませんでした・・・しかし、2017年。10年越しの悲願が実ります。
圧倒的と言っていい内容で、羽生さんが4勝1敗で勝ち、ふたりめの永世竜王の称号を手にしました。
将棋界には、8つのタイトルがあると言いましたが・・・1つは今年からタイトル戦に昇格したばかりの「叡王(えいおう)」。
それを除く7つのタイトル・・・
竜王、名人、王位、王座、
棋王、王将、棋聖。
これを羽生さんは一時期、独占して「七冠王」だったことは、あなたもきっとご存知と思います。
今回のタイトル戦の前までに、「竜王」を除く6つのタイトルは、すでに永世称号を持っていたんです。「王座」に至っては、19期連続獲得、1回敗れてさらに5期連続獲得していたので、名誉王座(※)4回分という驚異の記録を持っていました。
(※「王座」の永世称号は「名誉王座」といいます)
なので今回、久々の竜王戦登場で・・・タイトルを取って「永世七冠」になるのかどうか。
注目の集まるタイトル戦でした。
若手の台頭!羽生さんは衰えたのか?
近年、若手棋士が上位に食い込んできて、タイトルも取り始めています。いっとき前までは、『羽生世代』と呼ばれる、羽生さんと同世代の棋士がタイトル戦の常連だったのですが・・・
ここ数年は、羽生世代は苦戦。状況が変わってきています。そして、羽生さんも今年に入って、他のタイトルを2つ失っていました。。。
「さすがに衰えたか」
「世代交代の波が来た」
「無冠になる日も近い」
などと噂されていました。
が、そんな心配もなんのその。圧巻の強さで、竜王を奪取しました。
まぁ。そもそも。
羽生さんは7冠を独占したときから、少し負けが重なると「羽生は衰えた」という声がどこからともなく聞こえてきます。
衰えた、衰えたと言われ続けて20年。
でもその実、ほとんど三冠以上はキープしていましたし、気づけば永世七冠になるんですから。。。
衰えただなんて、私は言えません。トッププロと戦い続けて勝率7割超えですからね・・・知れば知るほど、凄さのわかる棋士です。
常に挑戦あるのみ
将棋をやっていて、羽生さんが嫌いな人はほとんどいません。というのも、実績が凄いのはもちろんですが、将棋がカッコいいんです。
あえて相手の得意な戦法で戦ったり、無理筋と言われている手を指したり、流行の最新系を取り入れたり・・・その姿勢に惹かれます。
詰ませ方も、一見すると「???」と思うような手を指して、解説者を混乱させたりします。
数手後にようやく意図が分かるような。
常に、チャレンジ。常に、攻めの姿勢。攻め続けたからこそ、前に進み続けたからこそ、永世七冠にもなれたのでしょう。。。
羽生さんの、こんな言葉があります。
「リスクを取らないことが最大のリスクである。」
シビれますね。いっときの負けよりも、チャレンジしないことの方が、トータルで見てマイナスだということを深く理解していて・・・かつそれを、シビアな勝負の世界で体現できているわけですからね・・・
羽生さんの記録、実はもう1つ、達成間近なものがあるんです。
それは・・・
・・・
タイトル獲得数通算100期。
ちなみに今、99期!
来年には必ず達成するでしょうね。。。
大名人と呼ばれた大山康晴十五世名人ですら、80期・・・
いやぁ。凄いもんです。
最近、将棋界凄いです。
藤井聡太四段デビュー
加藤一二三九段引退&TVで大人気
羽生永世七冠誕生 ←イマココ
羽生永世七冠、タイトル100期獲得
こんな記録ばかり見ていたら・・・常に、チャレンジしていこうと、強く感じますね。
2017年も残り17日。まだまだ、あります。
あなたは、何にチャレンジしますか??
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