コーチとクライアントは、コーチングセッションの間だけの提携関係ではありません。ゴール達成に向けて実際に行動するのはクライアント自身ですが、コーチはクライアントに行動させるという役割があります。
そのため、コーチはクライアントをセッション中だけではなく、セッション外でも関わりを持ちます。今回は、セッション外での関わりについてお伝えしていきます。
クライアントは「一人」ではない
コーチは、クライアントと合意したゴールに一緒に向かう共同体ですから、クライアントを100%応援します。クライアントは一人でゴールに向かうわけではなく、コーチの全力の応援を受けています。それによって、クライアントが持っている能力を存分に、あるいはそれ以上の力を発揮することが出来るのです。
コーチの応援・フォローは、セッションの時間だけにとどまるのではありません。セッションの間だけしかサポートしないのであれば、クライアントの行動が鈍ったときにそれに気づけず、進捗が遅れます。クライアントのモチベーションに左右されて成果が変わってしまいます。
セッションは、例えば2週間に1時間という、ほんのわずかな時間です。その時間で効果的なセッションを行うのは当然ですが、それ以上に大切なのは、セッション外でクライアントがいかに行動できるかということ。成果を決めるのは、行動でしかないのです。
ですからコーチは、クライアントの望む方法でセッション外にもサポートします。例えば、メールやLINE、電話といった方法でクライアントを行動を促します。
クライアントが自分一人で頑張るのではない、ということです。クライアント・コーチはそれぞれの役割を持ち、合意したゴールに向かっているのです。
「行動・結果を報告する」ことの絶大な効果
セッション内で「〇〇をやります!」と宣言したとしましょう。コーチは、その行動を確実に実行させるべく、「それが終わったら報告してください!」とリクエストすることがあります。
セッション内でコーチに宣言すれば「よし、やろう!」という気持ちになりますが、その気持ちはもしかしたら短期的なものかもしれません。ですが、「終わったらコーチに報告する」というところまでをセットの行動としておけば、これはもう、やらざるを得ないでしょう。信頼するコーチに報告する、という決めごとは、行動へと駆り立てる原動力になります。
ひとつの例を挙げてみましょう。
例えば、「作家になって本を出版する」というゴールに向かっていたとします。セッションの中で、行動として「毎日1000文字書く!」と宣言したとしても、実際に行動し続けるのはそう簡単なことではありません。セッション中はモチベーションが高いので、思った以上のことを「出来る!」と言ってしまいがちなものです。
実際にやってみたら思っていたより大変で、1日、2日、3日・・・いつの間にか行動が止まってしまった・・・ということも十分ありえます。何もしないまま次回のセッションを待って、「3日坊主で終わってしまいました」・・・これではなかなかゴールを達成することはできません。
一方、コーチに行動の結果を報告すると決めていたなら、どうでしょうか?「今日は朝から机に向かって1000文字書きました!」と胸を張って報告することで、どんな感情が生まれることでしょう?誇らしい、自信、やる気・・・それが次の行動につながるのです。
「報告する」という行為だけでも十分効果がありますが、コーチから「しっかり行動できていますね」とか、「〇〇さん、この調子ですね!」とか承認の言葉があることでしょう。承認によって自信が深まったり、ますますの行動が取れるようになることは、容易に想像できることでしょう。
もし行動できなかったとしても、報告があればすぐに察知して、軌道修正することが出来ます。
「〇〇さん、明日からまた始めましょう!」「〇〇さんなら、出来るって信じてます!」そんな応援の言葉は、クライアントに行動する勇気をもたらすのです。
自分を100%応援してくれる人の期待には、ぜひとも応えたいと思いますよね。クライアントはコーチを上手く使って、行動やその結果を報告しつつ、ゴールへ向かって着実に進んでいけるのです。
コーチを上手く使って行動することが、クライアントの役割
コーチとクライアントの信頼関係は、セッションを重ねる度に強まります。クライアントと合意したゴールは、コーチのゴールでもあります。コーチは、ゴール達成に向けてありとあらゆる方法でサポートする役割なのです。
あなたがクライアントの立場になったら、ぜひコーチを上手く使ってください。「報告する」ということも一つの案ですが、あなたが望むサポートを、積極的にコーチに依頼してください。
例えば、3日に1度メッセージを送ってほしいとか。セッション直後はやる気に満ちてるけど、土日を挟むと下がりがちなので、そこで5分間の電話の時間がほしいとか。クライアントから2日報告がなかった場合に、強く促してほしいとか。
あなたにとって、行動しやすい状態に近づけるために、何が必要でしょうか?どんなサポートがあれば、行動が確実なものになるのでしょうか?
クライアントの行動をサポートするのがコーチの役目です。遠慮は無用。あなたが結果を出さなければ、コーチの価値は無いも同然なのです。
人の力を借りるクライアントは成果を出しやすい
同じゴールを目指す提携関係にあるからこそ、コーチもクライアントもしっかり自分の役割を果たす必要があります。クライアントは、積極的にコーチの力を使ってください。
自分だけで頑張ろうとするのではなく、自分以外の誰かの力を借りられる人は、成果を上げていきやすい人です。誰かに依頼するのが苦手な人は、まずはその練習としてコーチを使うというところから始めても良いでしょう。
セッションの時間だけにとどまらず、クライアントが行動しやすい環境を整えていくのがコーチの役割です。そのためには、メールやLINE、電話などのサポートは惜しみません。
クライアントが行動し、成果を生み出し、合意したゴールに到達することだけをコーチは考えているのです。それぞれがの役割をしっかり果たしつつ、前に進んでいきましょう。
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