コーチングのテーマでよくあるのが自分の強みを洗い出すこと。
新たに何か始めたいときや、起業・独立したいとき、あなたのならでは何かを打ち出す必要があるわけです。そのベースとなるのが、強みを知っていることです。
ただこれを自分ひとりで探すのは、意外と大変。自分の強みは自覚しづらいものです。
今回の記事は、自分の強みを探すヒントをご紹介します。
ざっくり見出し
1. 強みを探す前に知っておくべきこと
強みを知ろう!というようなワーク、いっぱいやってきました。
でも、自分で探した「強み」が、あんまりシックリこなかったのも事実です。セルフイメージが高くない頃は、見つけたものを「こんなのでいいんだろうか」って迷って確信が持てなかったからです。
その経験を踏まえて、強みの見つけ方と活かし方をお伝えします。
が、その前に。前提として知っておいてほしいことを3つお伝えします。
1-1. そもそも何故、強みを理解することが必要なのか?
『何故強みを理解するのか』からいきましょう。
サトウの答え。
強みを理解することは、他のライバルとの違いを明確にすることに直結するからです。
ビジネスでは「この人はこういう人」という、明確な打ち出し方が必要です。実績が乏しいうちは特に、ね。
これ、ビジネスではポジショニングと言われるものです。
自分を売り出すとき、自分の強みが分かっていないと、他のライバルとの差別化が出来ません。差別化しないと、目立ちません。目立ってないものは、個性がないし、魅力がない。つまり、売れない。負のスパイラル。
さらには、自分の強みじゃないことを頑張ってやっても、疲れてしまうわけですよ。疲弊しちゃう。せっかく独立したからには、自分の強みを武器として使いたいわけです。
そのための第一歩が、強みの真の理解なんです。
1-2. 自分では当たり前すぎて、価値に気づかない
冒頭でも述べたように、コーチングでも強みを探すセッションは多いです。
この事実だけを見ても、なかなか自分では把握しづらいものなんだなと感じます。
そう、自分があまりに当たり前にやってるんで、気づけないんですよ。むしろ勝手に空想の「誰か」と比べて、卑下しちゃう人が多い。
こんなこと誰でもやってるでしょ・・・とか、
こんな仕事、大したことないし・・・とか思ってしまうんですよ。
でもそれは明らかに勘違い。
当たり前にできていることこそ、自分の本質だし、自分の強みなんですよ。だから、当たり前にやれていることをジックリ探る時間を意識的に取って欲しいです。
ちょっと、サトウのエピソードを。
サトウの友人で、美大に通っていた人がいます。
あるとき、サトウがその人の絵をめちゃくちゃすげーーーって褒めたら、
「こんな絵、誰だって書けるよー!」とか言うんですよ。
「いやいや、書けないって、そんな絵!」
「いやいやいや、ホント大したことないんだって!」
うん。これ以上は水掛け論。こんな経験、あなたもないですか??
どっちが正解とかは無いんです。要はどう捉えるかの話。
「これは凄いこと。このスキルを求める人はたくさんいる」のも事実だし、
「これは大したことない。このスキルぐらいできる人はたくさんいる」のも事実でしょう。
強みって、圧倒的に他と比べて抜きんでている唯一無二のもの、じゃないですよ。
他の人にちょっとでも褒められたら、それはもう強みでいいじゃないですか。当たり前過ぎて気づいていないだけ。
それを当たり前に出来ることが強み、って捉えていきましょう。
1-3. 全てのことには価値がある
あとは、サトウの場合10年間IT企業で務めたんですが、その10年間の経験を強みって考えなかったですね。何故か。
コーチングの方向に舵を切った際に、これまでのIT系のことは距離を置こう、って考えたんです。何故か。
これ、圧倒的に間違い。
仕事としてあなたがやっていること、やってきたことは、常に価値を産んでいます。
独立している人でも、会社員でも一緒。仕事をすることでお金を得て、生活できているわけですからね。あなたのやっていること、やってきたこと、全てのことは価値があります。
「これぐらいは些細なこと」と思うことにも、必ず価値があります。
強みを探すときに、「変な遠慮」は敵です。些細なことさえも見逃さず、あなたの強みとして理解していきましょう。
2. 当たり前にやっていることを見直して強みを探す方法
では、どうやってその当たり前にやっていることを見直すか。その方法をお伝えします。
共通して言えるのが、ひとりで頭の中だけで考えない方がいいですね。
誰かと話しながら、話を膨らませながら探していくとよいです。ひとつ気づくと、また近しい別の何かに気づくんで、それをまた展開して・・・次々に強みを見つけ出すことができます。
2-1. 自分がやっていることを、こと細かに話す
ひとつめの方法は、とことんまで細かく話すことです。
頭の中に「なんとなくある情報」って、ただのぼんやりしたイメージなんです。
そのイメージを、話しながら言葉としてアウトプットすることで、明確なものになります。明確になれば、自分自身も深く理解することができます。
あなたのぼんやりしたイメージを聞いている相手は、「これってどういう事?」って疑問が湧いてくるんですね。で、その疑問に答えることで、自分がやっていることがより細いレベルで説明する必要が出てきて、より具体的なものとしてアウトプットできるんです。
より深く話し、深く理解することにつながります。
2-2. 成果・効果を上げていることから、その要因を推定する
ふたつめの方法は、効果・成果から追って推定するということです。
あなたがビジネスをやってるなら、どういう時にお客さんに喜ばれたとか、どういう時に売上がたくさん上がったとか。
プライベートでも、人に褒められたこととか、人から驚かれたこととか。
それらをきっかけに、上手くいった要因を推定し、分析していくと、効果の高い「何か」が見えてきます。これも、やっぱり人と話しながらですね。
成果が上がったとき、どんなことに注意したかとか、どこを工夫したっけとかを思い出していくわけです。
実際に成果の出た方法から探るので、また次の成果に繋がりやすいんですね。
2-3. それを『何故』やっているのかを分解する
みっつめは、次に上の二つでやったことを、『何故やっているのか』を考えます。
何故?という質問から、あなたの内に秘めた、根本の思想が分かります。
その思想が分かれば、応用が利くわけです。プライベートで褒められてきた、その根源にある思想は何か?それをビジネスで応用するならどうするか?と広がってきます。
ひとつの成功した商品の根源にあった思想を、新しい商品を作るときに持ち込めないか、を考えるのもいいですよね。お客さんは、その「思想」に惹かれて買ったという場合もあるわけですから。
何故、それをやってるのか?自分が何を大事にしているのか?を見直してみると、自分の本当の強みが見えてきます。
あるピアノ講師は、「毎回、生徒の親に会う」ということを当たり前にやっていました。「それは何故?」と聞くと、「子供の状況をご両親にも伝えることができる」とのこと。
なるほど。この小さな行動習慣が生徒の親との信頼関係を築き、リピートや紹介を生む秘訣なのでは・・・?と話が展開し、「他にその観点で、やっていることは??」とつながっていきました。
2-4. これまでに多くの時間をかけたことを思い出す
よっつめは、時間量です。
これまでに多くの時間をかけてやってきたこと。これは、あなたの強みです。間違いなくあなたの強みです。
例えばサトウの場合は、IT系の会社に10年務めたんですが、その10年間のIT企業の経験は、強みです。当たり前のようにオフィス系のソフトは使えますし、パソコンの設定やネットワーク設定も余裕。プログラムのバグ修正、そこから広げて仮説設定と問題解決は得意なわけです。
IT系の人からすれば「全然、大したことない」んですが、そうじゃない人からすれば、「おおお、すげーー」ってなることもあるんですよ。
10年間、1日8時間だとすると・・・1年で1920時間、10年で20000時間近くやってきてるわけです。どう考えても、間違いなく強みでしょ。
もちろん仕事だけの話ではなくて、趣味でもプライベートでも何でもいいんですけど、長い時間やっているものほど、あなたの強みに近いわけです。サトウだったら、将棋は間違いなく強み。
人に何かを教えるということだったり、細かく分解して伝えるみたいなところだったり。そんな風に強みを見つけるということをしていくと、あなたならではのオリジナリティが見えるようになってきます。
おわりに
こんな感じで基本的に誰かに話しながら探ると良いです。
とはいえ、相手がすぐには見つからない場合もあるでしょうから・・・自分なりに一回考えてみるのも有効な方法です。そういうときに使ってほしいのが、強みを見つけるための質問集。
人は、「問い」があると答えを見つけようとします。
だから、ただ考えるだけでなく、用意された問いに答えていくのは有効な方法です。質問に答えながら、自分の強みは何だろうか、探しに行きますから。
自己診断のツールについてはこちらから
そういえば。自己診断系のツールもありましたね。
一般的な分析にはなりますが、これもありですね。