「教えることは二度学ぶことである」 フランスの哲学者ジュベールの金言

コーチングをしていて、クライアントからたまに出てくるこんな言葉。あなたもコーチとして活動しているなら、遭遇した経験はないでしょうか?

「部下が、◯◯が出来るようになって欲しいんだけど・・・」

こんなとき、あなたはどうしていますか?

サトウがいつも思い出すのは、「教えることは二度学ぶことである」という言葉。この中に、人材育成の鍵があります。

組織の中では、人を育てることは最重要の仕事のひとつ。人材育成も、コーチング的な考え方を活用することで、質もスピードも上げていくことが出来るのです。

では早速、そのやり方をお伝えしていきます。

サトウ
今日は、かなり実践的な手法も伝えるぞっ。

知識・スキル習得の最速の方法とは?

結論を言えば、知識・スキル習得の最短の方法は、「それを教える側に回ること」です。

イメージしてみてください。例えばあなたが、「会社に入れるプリンターについて、何案か検討してプレゼンして」と言われたとします。このときあなたは、プレゼン資料を作るために、様々な準備をしますよね。

それは、「プレゼンの場で相手に情報を伝える」というときには、自然と「相手にわかるような説明をしよう」という意識が働くからです。その結果、わかり易い表現を心がけたり、背景や経緯を調べたり、具体的な事例を探し出したり、、、自分の理解の甘いところを補強したりします。

だから、知識・スキルが短期間のうちに圧倒的に身につくわけです。教えるということは、少なくとも相手にとっての「先生」という立ち位置に変わることでもあります。

「10」のことを教えるためには、「10の知識」ではあまりにも弱いです。「50の知識」があって初めて、「10」のことを教えられるぐらいのイメージです。

なので・・・5倍の知識量を一気に獲得することになるので、「教える側に回る」ことがもたらす影響の大きさは、計り知れません。

「教えることは二度学ぶことである」

この言葉は、フランスの哲学者ジュベールの言葉です。

教えることは二度学ぶことである
人に何かを教えようとするとき、
自分の知らないことがあることに改めて気づき、
それを補おうとするので、、、
教えるたびに改めて学び直しているという意味

サトウがコーチングを学んでいたときに、度々、師匠から言われて強く心に残りました。こんなエピソードも教えてもらいました。

「学校教育は、先生が子供に知識を詰め込んで教えるよね。
 それで、家でも親に教わってばかりだと、子供のアウトプットの場面がなくなっちゃう。
 家では親は、子供から教えてもらうようにするべきなんだよ。」

なるほど、です。子供が「教える側に回る」ことで、より深く理解できるという内容。確かにその通りで、学んだ脳科学の本にも、同じようなことが書いてありました。

サトウ
アウトプットして初めて、知識になるとも言うしね。

では、話をもとに戻して、大人のスキル習得の話をしましょう。

もしあなたが、「部下のAさんに、コーチングを習得して欲しい」と考えるのであれば、「Aさんがコーチングを教える場面を作る」ことが、あなたに出来る最善の方法です。

ここには、コーチングの原則としての

過去と他人は変えられない
変えられるのは、未来と自分だけ

という考え方がベースにあります。Aさんにコーチングを習得してほしいと思ったとき。Aさんの行動を直接的に変えることはできません。あなたに出来ることは、あなたの行動を変えるだけなのです。

あなたが選べる選択肢は、例えばこんなものがあります。

あなたが選べる選択肢
「いいか、絶対コーチングを習得しろよ!」と言う
「コーチング習得しないとボーナスないぞ」と言う
コーチングの習得を応援する
給料をUPする
特別報酬を出す
コーチングを教える場面を作る

というあたり。どれもあなたの選べる行動ですが、それによっての結果は大きく変わってくることは、あなたも想像できることでしょう。

サトウ
脅しやインセンティブは、一時的で、長期的には役に立たない。応援するのも、気持ちだけで実利は少ないね。

方向性の一致は大前提

ただし。この「教えることは二度学ぶことである」の大前提があります。それは、組織の方向性と、当人のやりたいことがある程度一致していることです。

上司部下として、同僚として、あるいはビジネスパートナーとして。長期的な付き合いをするんだったら、相手をコントロールしようとするのではなく、方向性を合意しておくことが大切です。

もし、そこに大きなギャップがある場合は、まずはその方向性を見直すべきです。方向性が真逆のまま、無理に何かを部下にさせようと考えると、反発にあったり、やる気にならないので、絶対に上手くいきません。

サトウ
小手先のやり方だけで、無理に相手をコントロールしようとすると、絶対に失敗するぞ。

翻って、コーチングで言われたら・・・

「部下が、◯◯が出来るようになって欲しいんだけど・・・」

これをコーチングで言われたときには。

  • 何故、そう思っているのかを聞く
  • 相手の立場だったらどう思うのかを聞く
  • あなたに何が出来るのかを聞く

みたいな、コーチングの教科書的な質問をすることも一定の効果はあると思いますが、、、具体的な解決策がクライアントの頭の中になければ、何も進みません。

この記事でここまでお伝えしてきたような、「教えることは二度学ぶことである」を、レクチャーしてあげてOKです。クライアントが求めているのは、「コーチング的なコミュニケーション」ではなく・・・

結果・成果です。

コーチは行動をさせるプロ。相手の望むゴールへ到達させるプロです。使えるリソースは、全部使って、効果的なコーチングを提供していってくださいね。


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