サトウは「将棋普及指導員」として、大人向けの将棋講座をやっています。
カルチャーセンターのから依頼で、大人・女性・初心者向けの講座。相手は、50代ぐらいの女性が中心で、これから将棋を覚えたいという方々。
この方々に、どう教えるか・・・
どう伝えれば、分かりやすいか・・・
今回は、私の講座の内容を”ちょっとだけ”お伝えします。
コーチング式 将棋講座 とは!?
最初に将棋への印象を聞くのですが、難しいとか、頭がいい人にしかできないとか。自分がやることを考えると、なかなかとっつきづらい、ネガティブな捉え方をする人が少なくありません。
もちろんプラスの意見も出ますが、ネガティブな方がやや多いのが通例です。なので、まずは「興味」を持ってもらって、楽しく学ぶことが一番です。
様々なアプローチを試しましたが、試行錯誤を重ね、効果的だと感じているのが・・・
サトウが編み出した、『コーチング式』の将棋の教え方です。
(まぁ、そんな風には大っぴらには言っていないですが)
■子供と大人は覚え方が違う
子供に教える場合などは、詰め込み教育でもとりあえずは大丈夫。駒の動かし方やルールをまず伝えて、それを実戦の中で何度も何度も繰り返しやることで定着します。
何故なら、子供は「単純記憶」が秀でているから。
つまり丸暗記が得意なので、たくさんの量をインプットをするのが効果的なのです。
とはいえ、インプットだけではまだ半分。両親や兄弟に教わったことを話す、アウトプットをすることで、より定着します。
家でも指したり会話が多い子は、その分ぐんぐん伸びていきます。
一方、大人の場合は、「単純記憶」が子供と比べると衰えています。
脳の構造が変わってくるので、同じ詰込み型の教え方では上手くいきません。大人になると、「複雑記憶」が発達します。全体を把握したり、意味のあるストーリーとして理解したり、これまでの知識と紐付けたり。
関連させて理解をするということが得意になってきます。
なので、大人への教え方は、
これまでの知識と関連するように
ということを意識しながら教えると、覚えるのが早くなります。
多くの人は、教わることにすらネガティブ
ですが、受講生の声を聴くと・・・あるんですよね。
「いっぺんに教えられ、全部はなかなか覚えられない」
「『何で覚えられないんだ!』と怒られる」
「スパルタ教育でついていけない」
・・・耳が痛い話です。
アマチュアでも将棋が強い方はたくさんいます。が、教えるのが上手な方は残念ながら多くないです。そういう人から教わると、残念ながら将棋が嫌いになってしまうことさえあります。
「強さ」を示したい人なんてもってのほか。「正しい知識」を「正しく伝えよう」とするのも、受講生のためになりません。それは、ある程度させるようになった人へ伝える方法。
初心者に教えるためには・・・
初心者と同じ言葉を使い、同じ疑問を共有し、同じ目線に立った考え方が出来ないといけません。
必要なのは、「受講生の気持ちになって、受講生が分かる言葉で伝えること」です。
問いを立て、答えさせよ
ということで、将棋普及指導員のサトウの大人・初心者への教え方。
それは、疑問を解消していくというスタイルです。
本当に初めての方向けの講座では、簡単なルール説明ののちに『駒』を触ってもらいます。そして、隣の人同士で話し合ってもらって、
「駒を触ってみて、気づいたことを、何でもいいから5個挙げて!」
という問いから始めています。
将棋を知っている人から見たら、何を言っているんだと思われるかもしれません・・・が。これがまぁ、いろいろ出るんですよ。
・大きさが違う
・いろんな種類がある
・文字が書いてある
・裏面にも文字が書いてある
・裏面が無いものもある
・木で作られている
・五角形だ
・厚みがある
・王将?玉将?
・金とか銀とか、宝物?
・将とか車とか馬とか、戦争?
・・・みたいな。
この挙がってきた意見に対して、全て答えて疑問を解消していきます。
これが、興味を持たせて楽しく伝えるということ。(詳しくは、解説しませんが・・・)
なるほど!を増やしていく
このように、
「問いから始める」ということと、
「参加者に意見をもらう」というのが、『コーチング式』な教え方です。
自分たちが疑問に感じた点があり、それを解説していくスタイル。疑問を抱くことで興味がわき、さらにその疑問を解消することで、納得しながら覚えられます。
「なるほど!」「へぇ~!」ということが多く聞かれます。都度都度、雑学も交えたりしながら。チェスや囲碁の例も入れていくので、これまでの知識と関連して覚えられます。
受講された方からも、
「こんな講義初めてで面白い!」
「難しいと思ってたけど、楽しく受講できた!」
というご意見もいただいています。嬉しい限りです。
コーチングは学びのプロセスそのもの
この教え方のヒントは、コーチングから得ました。コーチングのメリットもここにあります。
『本人から出てきた意見』だから、自分事として考えられます。
『気づきを話し、理解を整理する』からこそ、定着していくわけです。
一般的な教え方は、教科書を読むように、先生が知識を与えるだけ。言ってしまえばコンサルですよね。
コンサルは「正しいことを言う」かも知れませんが、本人の納得度から言うと疑問が残ります。だったら、本人の気づきに着目して、それを取り上げて話題にする方が、はるかに本人のためになります。
そう。
コーチングは気づきのプロセス。学びのプロセス。あらゆる学びに応用できます。
あなたもぜひ、学びのプロセスに『コーチング』を取り入れてみてはいかがでしょうか??
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