そんな疑問を抱えながら、パソコンの前で検索履歴を見返していませんか?初めてのコーチングセッション。期待と不安が入り混じる中で、「失敗したくない」「準備が不十分だと無駄になるのでは」という心配が頭をよぎることでしょう。
実は、多くの方が同じ悩みを抱えています。サトウ自身、200名以上のクライアントの初回セッションに立ち会ってきましたが、皆さん最初は同じように不安そうな表情をされています。でも、準備のポイントを押さえておくことで、その不安は大幅に軽減されます。
この記事では、初めてのコーチング体験を不安なく迎えるための準備方法、よくある失敗の回避法、信頼できるコーチの見極め方まで、徹底的に解説しています。 読み終える頃には、「これなら受けてみよう」という前向きな気持ちで、次のステップに進めるはずです。
ざっくり見出し
初めてのコーチングって何をするの?基本の流れを解説
そもそも「コーチング」とは?カウンセリングとの違い
コーチングとは、「クライアント自身が答えを見つけ出すサポートをする対話プロセス」です。よく混同されるカウンセリングとの大きな違いは以下です。
- カウンセリング:過去の問題解決や心の傷に焦点を当てる
- コーチング:未来志向で、目標達成や成長に焦点を当てる
想像してみてください。カウンセリングが「傷ついた心の手当て」なら、コーチングは「なりたい自分に向かうためのトレーニング」のようなものです。あなたの将来のために有益な会話、それがコーチングです。
体験セッションの一般的な流れ(例:60分の構成)
多くの場合は、コーチからの事前のメール/LINEで「当日はこんなスケジュールで進めます」というスケジュールの大枠が示されると思います。以下は、60分の場合のベーシックな体験セッションの流れです。
- 最初の5-10分:アイスブレイク
:簡単な自己紹介(双方向で)
:コーチングについての簡単な説明、これまでの経験の有無の確認
:今日のセッションで期待することの確認
- 10-15分:ゴールの確認
:将来の理想的なゴールの確認
:5年後、10年後の生活のイメージの共有 - 10-15分:現状確認
:今の状況や悩みの共有
:「どんなことに取り組みたいのか」の整理 - 15-20分:探求と深掘り
:ゴールと現状のギャップの確認
:質問を通じて新しい視点を発見
:価値観や本当に大切にしたいことの明確化
:行動の選択肢の洗い出し - 10-15分:行動計画
:小さな次のステップの設定
:取り組みやすい行動の選択
このように、特別な準備がなくても進められる構造になっています。また、多くの場合はこの後で継続のセッションの案内が入ることと思います。
「話す内容がない」と思っていても大丈夫な理由
「特に深い悩みがないから、話すことがない…」そんな風に思う方も多いですが、実はそれは全く問題ありません。将来達成したいゴールと、現状の間に「差」があるのであれば、そこのギャップでいくらでも話すべき内容は出てきます。
そのために、コーチ側は以下を留意しつつ話を進めていきます。
実際、「特に問題はないけれど、何か物足りない」という漠然とした感覚から始まった方が、大きな人生の転機を迎えるケースは珍しくありません。
体験セッション前に準備すべき5つのこと
1. テーマや相談したいことをざっくりでいいから考えておく
完璧に言語化する必要はありませんが、以下のような話題になることが予想されます。あらかじめ、考えておくことで、セッションがより深みを持った内容になっていきます。
- 仕事について
:今の仕事で感じるモヤモヤ
:キャリアチェンジの可能性
:職場の人間関係の課題 - プライベートについて
:ワークライフバランスの悩み
:家族関係やパートナーシップ
:趣味や興味、本当はやりたいことの探求 - 自己成長についての欲求
:新しく挑戦したいこと
:身につけたいスキル
:変えたい習慣
「○○について相談したい」という形でなくても、「最近、なんだかこんな気持ちになることが多い」程度の準備で十分です。質問の中で、より深くに探っていけますから、ご安心ください。
2. 理想の未来や「こうなったらいいな」を書き出してみる
実現可能性は今考えなくてOK。大切なのは、素直な願望を明確にすることです。
- 3年後、5年後にどんな状態でいたいか
- どんな環境で働いていたいか
- どんな人間関係に囲まれていたいか
- どんな日常を送っていたいか
例えば、こんな願望でOKです。
- 「場所にとらわれず働けるようになりたい」
- 「自分の専門性を活かした事業を持ちたい」
- 「週末に趣味の時間をしっかり取れる生活がしたい」
こうした理想像は、セッション中の対話の重要な起点となります。
3. 過去の体験・現在の悩み・価値観の棚卸しもおすすめ
時間があれば、以下のような内容も考えてみると、より深い対話が生まれます。
- 人生で大きな影響を与えた出来事
- 成功体験や充実していた時期
- 失敗から学んだこと
- 満足していること・不満に感じること
- エネルギーを感じる活動・消耗する活動
- 大切にしている価値観
普段考えていないことに思考を巡らせるのがコーチングです。その事前準備として、自分自身も、普段はあまり考えないこのような内容を準備しておきましょう。
4. コーチとの対話を深める質問を考えておく
また、今後もし長期的な契約を交わすのであれば、コーチ側の価値観や大切にしていること、コーチの実績なども把握するのも大切なポイントです。以下のような質問を準備しておくと良いでしょう。
- 「コーチが考える○○のポイントは?」
- 「同じような状況の人はどんな風に進んでいますか?」
- 「セッション外でどんな取り組みをすると効果的ですか?」
質問はその場で思いつくこともありますが、事前に1-2個準備しておくと安心です。
5. 簡単な自己紹介の準備
初対面のコーチに話す内容を、軽く整理しておきましょう。コーチから聞かれることが多いですので、これもあらかじめ準備しておきましょう。
- 名前、年齢、職業
- なぜコーチングを受けようと思ったか
- 今の状況や課題の概要
3分程度で話せる内容で十分です。細かいことは対話の中で自然に共有できます。
よくある失敗&不安を事前にクリアにしておこう
「正解を言わなきゃ」と思いすぎると逆効果
多くの方が陥る罠が、「コーチの期待に応えたい」「正しい答えを言わなければ」という心理です。でも、コーチングに正解はありません。
正しい答えかどうかよりも、自分に素直な気持ちで対話をすることのほうが大切です。
- 素直な気持ちを伝えること
- 分からないことは「分からない」と言うこと
- 思いついたことをそのまま口にすること
基本的にはコーチ側が対話をリードしてくれるので、難しく考える必要はありません。質問にも、時間をかけて答えてOKです。「何か話さなきゃ!」と、思いつきで話すよりも、じっくりと考えて対話をしていきましょう。
「コーチとの相性が合わなかったら…」という心配への対処
この不安は誰もが持つ自然な感情です。実際、コーチとの相性は非常に重要で、合わない人から長期のコーチングを受けるのは苦痛です。「せっかく体験セッションをやってくれたし…」と、変に遠慮する必要はありません。以下のことを覚えておきましょう。
- 複数のコーチの体験セッションを受けるのは一般的
- 違和感を感じたら無理に続ける必要はないことを理解する
- 合わない理由を分析することで、次の選択に活かせる
実際、私のクライアントの多くは、2-3人のコーチの体験を経て選んでいます。
話を聞くだけで終わってしまった…を防ぐには?
「話を聞いてもらっただけで、何も変わらなかった」という感想を持ってしまう方もいらっしゃいます。コーチの力量の話もありますが、コーチングを活用するクライアント側にも、ある程度の責任はあります。
ここまで挙げてきたことと重なりますが、「今日のセッションでこうなりたい」という希望を伝えること、小さくても具体的な一歩を決めたいことを伝えること、を心がけてみましょう。
また、セッション中もコーチに遠慮する必要はありません。抽象的な話が続いたら「具体的にはどういうことでしょうか?」と質問したり、終了前に「今日の話から明日できることは?」とアクションの確認をしたりしましょう。
基本的に、コーチングの時間は「クライアントのための時間」です。良いコーチは、クライアントの行動につながるよう配慮しているはずです。
安心して受けるために|信頼できるコーチの見極めポイント
コーチは数多いますから、あなたにピッタリの、信頼できるコーチを見極めてください。見極めるためのポイントをいくつかお伝えします。
口コミや実績だけで選ばない
実績や口コミは大切です。「クライアントが実績を出しているか?」という観点で、みていきましょう。資格や経歴は、コーチングの力量とは直接関係ないので参考程度で大丈夫です。
大切なのは、以下の2点は最低限見ておきましょう。
- クライアントの話を最後まで聞くか
- 押しつけがましいアドバイスをしないか
- 「わかります」と安易に共感しないか
- 表面的な質問に留まらないか
- クライアントが気づいていないことを引き出せるか
- 答えやすい環境を作ってくれるか
そして何より大事なのは、あなた自身のインスピレーションです。「この人とならじっくり話せそう」「このコーチと一緒に頑張ったら、いいことが起こりそう!」という感覚を大切にしてください。
体験セッション時の「違和感」を見逃さない
人は、直感的に「違和感」を感じ取る能力を持っています。体験セッション中に以下のような違和感があったら、それは重要なサインと受け取って下さい。
- 自分の経験談や理論の説明に時間を割く
- 特定の方向性に誘導しようとする
- クライアントの感情より、問題解決を優先する
- 次回の契約について過度にアピールする
こういうコーチは、コーチングの基本的なスタンスができておらず、力量が高いとは言えません。逆に、良いサインとなるパターンは以下のようなものです。
- クライアントのペースを尊重してくれる
- 「それ、興味深いですね」など、探求への意欲を示す
- 答えを性急に求めず、余白を大切にする
- セッション後の押し売りがない
良いコーチとは、短い時間であっても、対話する中で「安心感」「信頼感」が高まっていきます。「聞き上手」「話してて心地いい」と感じるのは、いいコーチである可能性が高いでしょう。
また、「新しい視点に気づくことができた」「自分のペースで話せた」「次も話してみたいと思った」というのも、コーチの質問や雰囲気作りの賜物です。(セッション中は、そう感じないかもしれませんが)
逆に、緊張が解けなかったり、疲れを感じたりした場合は、一旦立ち止まって考えてみることも大切です。
まとめ|不安を手放し、コーチング体験を最大限に活かすには?
準備は「完璧」でなくてOK
ここまで準備のポイントをお伝えしてきましたが、最も大切なのは「完璧を求めない」ことです。気になっているのであれば、すぐに体験セッションを受けてみることをオススメします。良いコーチは、あなたのペースに合わせて進めてくれるハズです。
話してみて初めて見える気づきがある
準備したことと全く違う話になることも珍しくありません。実際、セッション中に「そういえば…」と思い出したことや、コーチの質問で初めて言語化できた思いが、重要な気づきにつながることが多いです。
このように、予期せぬ発見があるのもコーチングの魅力の一つです。
体験セッションの目的は「情報収集」ではなく「行動のきっかけ作り」。行動することで新しい視点が生まれ、次の発見につながります。
コーチング体験を控え、不安と期待が入り混じる今の時間も、実は重要な準備期間です。完璧な準備を目指すより、「どんなことが見えるだろう」という好奇心と共に、その時間を迎えてみてください。
良いコーチと巡り会えることを、祈っています。
コーチングを受けてみたいけれど、何を準備すればいいの?