あなたもきっと読んだことのある、世界的名著『7つの習慣』。サトウももちろん好きな本であり、どれだけ線を引き、何度読み返したか分かりません。
って思ってるぐらいですからね。
今回のブログでは、『習慣』そのものにはほとんど触れず、コーチングのエッセンスに絡めて「7つの習慣」をお伝えしていきます。
7つの習慣のざっくり紹介
7つの習慣をサトウ的に超ざっくり言うと、この3行になります。
その効果を発揮するための
アプローチを7つに分けたもの
前半の第1〜3の習慣は、「自律」「自制」といった、個人的な成長、「私的成功」がテーマ。後半の第4〜6の習慣は、他者との協力、チームワーク、コミュニケーションなどの「公的成功」がテーマ。そして最後の第7の習慣は、成長の継続的改善である「再新再生」がテーマになっています。
それぞれの習慣を、名称だけご紹介します。
第2の習慣「終わりを思い描くことから始める」
第3の習慣「最優先事項を優先する」
第4の習慣「Win-Winを考える」
第5の習慣「まず理解に徹し、そして理解される」
第6の習慣「シナジーを創り出す」
第7の習慣「刃を研ぐ」
です。まぁ正直、これを見ただけだと、ちょっと分かるような、いまいちピンとこないような感じに思いますよね。細かな話は、本を読んでください。
この記事でサトウが伝えたいのは、コーチングとの関係です。
7つの習慣の前提「パラダイム」がコーチングの根底
この7つの習慣の前提となっている、パラダイムという言葉があります。このパラダイムこそが、コーチングのキモ中のキモ。これの認識があるとないのとで、コーチングの結果に雲泥の差をつけます。
パラダイムとは、「物の見方や捉え方」のことです。
物事をどう認識し、理解し、解釈するか・・・それは、その人の持つパラダイムによって、決まっています。同じようなことが起こっても、人によって、見方は違います。
例えば、雨が降ったとき、どう捉えるでしょうか??
我々が普段話している言葉は、圧倒的に「解釈」が多いです。そりゃそうですよね。人は、過去の経験を未来に活かすように考えるから、過去の蓄積によるパラダイムを持っています。自分というフィルターを通して、「自分の解釈」に変換した言葉で大部分のやり取りをしています。
「人は自分が見たいように見る」生き物だとも言われます。
コーチングを覚えたての人がいたとして・・・
どちらも、本人にとっては、「事実」に思っていたりするんです。
あとは、なにか大きなことにチャレンジしようと思ったとき・・・
どちらも、その人にとっては事実です。
どちらのパラダイムが良い、悪いということはありません。しかし、「結果を出すコーチ」でいたいなら、当然前者のほうが成功の可能性は高まります。
可能と思えば、可能な理由を考え・・・難しいと思えば、難しい理由を考えるからです。
もし、クライアントが「チャレンジは難しい、何故なら・・・」という考え方しかできないなら、パラダイムを変換してあげるのも、コーチの役割なんです。
クライアントの話していることは、事実なのか、解釈なのか。
そこをしっかり聞き分けて、必要があればフィードバックして、ゴールに向かう可能性を1%でも高める。その前段として、コーチが認識しておくべきは、
「クライアントは事実と解釈をごっちゃにして話すことが多い」
という事実です。このパラダイムの認識をしっかり持てて、クライアントに接することができるかどうか。そこが、コーチの価値が、大きく変わるところです。
P/PCバランスというコーチングの真髄
「7つの習慣」には、本編の「習慣」の話に入る前に、こんな寓話が出てきます。
貧しい農夫がある日、飼っていたガチョウの巣の中にキラキラと輝く黄金の卵を見つけた。最初は誰かのいたずらに違いないと思い、捨てようとしたが、思い直して市場に持っていくことにした。すると、卵は本物の純金だった。農夫はこの幸運が信じられなかった。
翌日も同じことが起き、ますます驚いた。農夫は、来る日も来る日も目を覚ますと巣に走っていき、黄金の卵を見つけた。
彼は大金持ちになった。まるで夢のようだった。
しかしそのうち欲が出て、せっかちになっていった。
一日一個しか手に入らないのがじれったく、ガチョウを殺して腹の中にある卵を全部一度に手に入れようとした。
ところが腹をさいてみると空っぽだった。黄金の卵は一つもなかった。しかも黄金の卵を生むガチョウを殺してしまったのだから、もう二度と卵は手に入ることはなかった。
これこそが、コーチングと密接にリンクする、P/PCバランスという考え方です。
PC:成果を生み出す能力(Production Capability)
もうおわかりのように、この寓話では、
P:成果 =金の卵
PC:成果を生み出す能力 =ガチョウ
として描かれています。
成果(金の卵)を焦った農夫は、成果を生み出す能力(ガチョウ)を殺して、結局、成果が出る可能性を潰してしまった。そんなお話です。
ここで重要なのが、能力がなければ、成果は生み出されないという構図です。
成果を出すためには、その能力がある必要があるんす。そりゃそうですよね。ガチョウがいなければ、卵は絶対に生まれないわけで。
コーチングでは、ゴールに向かってセッションを進めますが、ゴールは成果(=金の卵)です。ですが、その成果のためには、能力が備わってることが前提です。
コーチングのゴールは、今の延長線上に無い、高いところに設定するので・・・当然、今の能力では達成できないと思えば、「能力を備える」というプロセスも必要になります。
コーチングでは、クライアントのゴール達成と、ゴール達成能力を高めること、この両方に視点を置いて、セッションを重ねていく必要があります。
P/PCバランスのもうひとつの解釈
と考えたあなた。残念ながら、不正解です。
多くの場合は、まずは成果にフォーカスするのが良いです。
例えば、これからコーチングを始めようとしているなら。ビジネス未経験の人であっても、「まずはクライアント獲得」に向かってチャレンジさせるのがクライアントに成果を出させるコツです。
何故なら、クライアントは既に、ある程度の能力を持っているからです。
しかし、残念なことに、未経験ゆえに自分の能力を過小評価するということが往々にして起こります。
クライアント取ったことがない→クライアントを取れない→その能力が自分には、まだ無い
という論法で、過小評価することが多いです。自信がない、というのも、経験がないだけというケースも多いものです。この状態なのに、また「能力向上のための学び」をいくら積んでも・・・結果は出ません。
「未経験」は、能力を低く見積もる原因になります。
一回やれば、「な〜んだ、できるじゃん」なんてこともありますからね。
例えば、売上を上げるという結果を得るためには、セールスが必要不可欠です。だから、セールスしないと絶対に売上が上がらないわけです。「コーチングを学ぶこと」ではありません。
まとめると、P/PCバランスの関係性は、
能力がなければ、成果が生み出されない
しかし、
成果を出す行動を取らない限り
能力を過小評価しがち
ということになりますね。
おわりに
ということで、7つの習慣とコーチングの関係性について書いてきました。どちらかというと、7つの習慣の「前提」になるようなところのお話でしたが・・・
習慣そのものよりも、この根底の考え方が役に立ちます。
あなたがこれから、コーチとして活動するのであれば・・・
そして、この記事で書いたような視点を常に持ち、クライアントにチャレンジを促していってくださいね。